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相続手続きに戸籍が必要な理由

最終更新日:2018年10月8日

お役立ち情報]相続手続きに戸籍が必要な理由

何らかの相続手続きを行う場合、必ずと言っていいほど、手続先から戸籍の提出を求められます。

 

そもそも相続手続きにおいて、なぜ戸籍が必要になるのかというと、簡単に言ってしまえば「相続人を確定させるため」です。

戸籍には被相続人と相続人との続柄(関係性)が確認できる情報が記載されていますので、他者(手続先など)に対して相続関係を証明できる公的な書類としての役割を持ちます。 

 

戸籍を集める前に必要なこと

相続手続きに戸籍が必要な理由は前記したとおり「相続人を確定させるため」なのですが、その前にそもそも相続人が誰になるのかを知らなければ、誰の戸籍をどのように集めればよいのか分かるはずがありませんので、まずは法律上誰が相続人(法定相続人)になるのかを正確に知る必要があります。

 

配偶者

まず、亡くなられた方の配偶者(妻または夫)は常に相続人となります。この場合の配偶者は法律婚をしている必要がありますので、婚姻届を提出していない夫婦(内縁関係)や離婚した元夫や元妻に相続権はありません。次に、以下の順位で相続人となります。

 

相続順位

第一順位

第一順位の相続人は子(嫡出子、非嫡出子、養子、胎児)とその代襲相続人(孫・ひ孫など)になります。孫が相続人になるのは、子が相続開始以前に死亡しているとき、または相続欠格や相続廃除によって相続権を失ったときに限られます。これを「代襲相続」といい、代襲相続により相続人になった者を「代襲相続人」といいます。ひ孫が相続人となるときも同様です。

 

なお、養子の代襲相続については、養子の子がいつ生まれたかで異なりますので注意してください。養子縁組をする前に生まれた子であれば代襲しませんが、養子縁組をした後に生まれた子であれば代襲します。

 

第二順位

第一順位の者がいないときは第二順位の直系尊属(父母・祖父母など)が相続人となります。

この直系尊属の者の中に親等が異なる者がいる場合には親等の近い者が優先します。したがって、父母の一方が存命のときは、祖父母が相続人となることはありません。

なお、「直系」とされていますので、配偶者の父母・祖父母などは含まれません。

 

第三順位

第一順位の者も第二順位の者もいないときは第三順位の兄弟姉妹とその代襲相続人(甥・姪)が相続人となります。代襲相続の考え方は上記の第一順位の子の代襲相続の場合とほぼ同じですが、代襲が認められるのは甥・姪までとなりますので、甥・姪の子が代襲相続人となることはありません。

 

相続放棄と代襲相続

相続放棄と代襲相続については混乱しやすい部分があるので注意する必要があります。

まず押さえておきたい一つ目のポイントとして、相続放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされますので、代襲相続は生じません。

二つ目のポイントとして、上記の「相続順位」を見てもらうとわかりますが、代襲相続人というワードが出てくるのは第一順位と第三順位のときです。つまり、代襲相続は第一順位と第三順位のときに想定されているもので、第二順位に代襲相続はありません。

 

これらのことから、まず第一順位の子全員が相続放棄をした場合、相続放棄で代襲相続は発生しないので、たとえ相続放棄した子に子がいたとしても、その子には代襲せず、第二順位の直系尊属に相続権が移ります(なお、子が二人いる場合で、その一方が相続放棄した場合は、もう一方の子がそのまま相続人となります)。

 

では次に、第二順位の直系尊属が相続放棄した場合はどうなるでしょうか?

二つ目のポイントで前記したとおり、第二順位の直系尊属に代襲相続はありませんので、たとえば、父母が相続放棄した場合に祖父母が存命ならば、第三順位の兄弟姉妹に相続権は移らず、次の相続人は祖父母となります。つまり、第二順位の直系尊属全員が相続放棄をしない限り、第三順位の兄弟姉妹に相続権が移るということはありません。

 

なお、この場合(父母・祖父母が存命)で、たとえば父のみが相続放棄をしたときは、第二順位の説明で前記したとおり「直系尊属の者の中に親等が異なる者がいる場合には親等の近い者が優先する」ので、もう一方の母だけが相続人となり、祖父母は相続人とはなりません。

 

数次相続と代襲相続

もうひとつ混乱しやすいものとして数次相続と代襲相続があります。

数次相続とは、「ある人が死亡したことにより相続が開始した(一次相続)が、その相続手続き中(遺産分割協議が調わないうち)に相続人が死亡してしまい、新たに相続が開始する(二次相続)」ことをいいます。

 

代襲相続と数次相続はよく似ていますが、代襲相続は相続人が被相続人の相続開始前に死亡しているのに対し、数次相続は被相続人の相続開始後に相続人が死亡した場合となります。

 

この違いで何が変わるかというと、遺産分割協議や相続手続きに加わる者が変わります。代襲相続であれば、基本的に被相続人の相続人以外の者が遺産分割協議などに加わることはありませんが、数次相続の場合は死亡した相続人の相続人全員が加わることになりますので、たとえば相続人の配偶者(第一次相続の被相続人からみれば義理息子や義理娘)までが、第一次相続の遺産分割協議に相続人の相続人として加わることになります。

 

戸籍の種類

相続手続きに必要となる戸籍は、基本的に被相続人や被代襲者など亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍と、相続人の生存を確認するための現在戸籍が必要になります。ただし、兄弟姉妹の代襲相続人が亡くなっているときは、再代襲はありませんので、死亡の記載がある戸籍があれば足ります。

※詳しくは下記の「相続手続きに必要になる戸籍の範囲」をご覧ください。

 

この「出生から死亡までのすべての戸籍」を集める場合、通常は一通の戸籍だけでこの期間を網羅することはあまりなく、以下の三種類のすべてが含まれる可能性があります。

 

➊現在戸籍

現在戸籍(げんざいこせき)とは、現に在籍している人がいて使用されている戸籍のことをいいます。なお、現在戸籍は省略して「げんこせき」「げんこ」などと呼ばれます。

 

❷改製原戸籍

戸籍は明治5年に戸籍法が施行されて以来、現在までに5回(戸籍をコンピュータ化していない市区町村では4回)の様式変更があり、そのたびに新様式への作り替え作業が行われました。

改製原戸籍(かいせいげんこせき)とは、この様式変更の際の「作り替え前のもの」をいいます。なお、改製原戸籍は上記の現在戸籍と音が紛らわしいため「はらこせき」「はらこ」などと区別して呼ばれます。

 

❸除籍

除籍とは、戸籍を編製している人(戸籍に在籍している人)が全員いなくなってしまった戸籍のことをいいます。現在戸籍から婚姻や死亡によって外れることも「除籍」という言葉を使いますが、相続の場面で「現在戸籍・改製原戸籍・除籍など」といわれるときは、この意味での除籍ではありません。

 

戸籍の請求先

戸籍の請求先は、その人の本籍のおいてある(おいてあった)市役所・区役所・町村役場になります。したがって、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍を集めるにあたって、過去に婚姻や転籍等で本籍を変更している場合は、その本籍のおいてあった市役所・区役所・町村役場のすべてに請求して、その期間の戸籍を取得する必要があります(郵便による請求可)。

 

なお、古い戸籍の場合、本籍として記載されている市区町村がなくなっていたり、名前が変わっていたりすることが多々ありますので、戸籍を請求する前にどこの役所に請求すればよいのか確認する必要があります。

 

請求できる人

被相続人の配偶者(夫または妻)や直系の者(親・子・孫)は、「法律で定められた者」として戸籍を請求することができますが、兄弟姉妹はその範囲に含まれませんので、兄弟姉妹が戸籍を請求する場合は「正当な理由」を明示する必要があります。

 

なお、行政書士等には職務上請求という制度が認められており、業務の遂行上必要がある場合には戸籍や住民票などの証明書を収集することができます。

▸戸籍収集でお困りの際は「戸籍収集サポート」をご利用ください。

 

相続手続きに必要になる戸籍の範囲

第一順位の者が相続人になる場合

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍
  • 代襲相続が発生している場合は被代襲者の出生から死亡までの連続した戸籍
  • 相続人の現在戸籍(※1)

第二順位の者が相続人になる場合

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍
  • 第一順位で代襲相続が発生している場合は被代襲者の出生から死亡までの連続した戸籍
  • 相続人となる直系尊属が死亡している場合は死亡の記載のある戸籍
  • 相続人の現在戸籍(※1)

第三順位の者が相続人になる場合

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍
  • 第一順位で代襲相続が発生している場合は被代襲者の出生から死亡までの連続した戸籍
  • 直系尊属の死亡の記載のある戸籍
  • 兄弟姉妹に代襲相続が発生している場合は被代襲者の出生から死亡までの連続した戸籍
  • 兄弟姉妹の代襲相続人が亡くなっている場合は死亡の記載のある戸籍
  • 相続人の現在戸籍(※1)

  1. 相続人の戸籍に関しては、被相続人の戸籍上の記載と相続人の現在戸籍上の記載から、生年月日や父母の氏名、続柄などによってその同一性が確認でき、かつ被相続人の死亡時点において当該相続人が生存していたことがわかれば、現在の最新の戸籍(現在戸籍)があればよく、中間の戸籍は省略しても手続き上は問題ありません。

【その他のお役立ち情報】

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